遺産分割協議書の作成

遺産分割協議とは、相続人全員で遺産分割に関する話し合いを行うことを言います。

原則、相続人全員で話し合いを行い、遺産分割協議で決定した内容について相続人全員が納得し合意すれば、遺産分割協議がまとまったことになります。遺産分割協議で決定した内容については書類に書きとめ保管します。この書類のことを、遺産分割協議書と言います。遺産分割協議書には“誰が”、“どの遺産を”、“どのくらい相続するのか”を記載します。

遺産分割協議書に必要となることは、相続人全員の署名と実印での押印です。相続人のうちひとりでも署名や押印が欠けた遺産分割協議書は法的には無効となり、効力を有しません。また、遺産分割協議書は財産配分について書き残すだけでなく、相続手続きにおける名義変更の際にも必要な書類になりますので、相続人全員揃って完成させましょう。

相続手続きにおいて遺産分割協議書は大変重要な書類です。しかし、必ずしも遺産分割協議書が必要であるというわけではなく、遺産分割協議書が不要という場合もありますので下記にご説明いたします。

【法定相続人は１人、遺言書もない】

相続人が1人の場合は遺産分割協議を行う必要はありませんので、協議書の作成も不要となります。

【遺言書の内容に従って相続をする】

被相続人が遺言書を残していた場合は、基本的に遺言書の内容に則り相続をします。よって遺産分割協議書の作成は不要となります。しかし、遺言書の内容に不服があり、その申し出について相続人全員が納得し、合意を得られた場合においては遺言書の内容と異なる遺産分割を行う事が可能になります。その際には改めて遺産分割協議書を作成する必要があります。

また、遺言書に記載漏れの相続財産が見つかった際には、相続人全員でその財産に対しての遺産分割協議をし、分割方法を決めます。よって遺産分割協議書も必要となります。

遺産分割協議書には、遺産分割協議で決定した分割方法等の内容すべてを記載し、相続人の誰がどの財産を相続するのかについて明確に記載しなければなりません。一度決定してしまった遺産分割協議の内容についてやり直しを行うことはとても難しいです。協議書の内容に少しでも不満がある場合は署名や押印はせず、納得がいくまで話し合うことをお勧めします。

遺産分割がまとまらない事例とは

• 相続人に行方不明者がいる
• 前妻の子など、面識のない相続人がいる
• 以前より不仲な相続人がいて、話し合いの場が持てない

などといった事例があり、こういったケースは少なくありません。相続人が行方不明、未成年者、認知症を患っているなどの場合は、遺産分割協議に直接参加することは出来ません。遺産分割を進めるためには後見人や代理人をたてるなど、別の方法をとる必要があります。

池上・雪谷の皆様、遺産相続の手続きは確実に進めていかなければなりません。遺産相続は各ご家庭によって、必要な手続きは異なります。自分たちの遺産相続ではどのような手続きが必要で、各手続きはいつまでに済ませなければならないのかというような全体像を把握しておきましょう。

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